パーキンソン病とは
パーキンソン病とは
パーキンソン病は、神経伝達物質であるドパミンの量が減ることで発症します。ドパミンは脳内の黒質で作られますが、パーキンソン病では黒質にレビー小体が蓄積することで、黒質の神経細胞が減少し、作られるドパミンが減少します。ドパミンが減ると、神経伝達に障害が生じ、運動の調節がうまくできなくなります。その結果、手足が動きにくくなったり、ふるえたりする症状が出現します。また、レビー小体は脳だけではなく、全身に蓄積するため、多彩な症状が出現します。パーキンソン病患者の数は年齢とともに増加し、70歳代後半~80歳代前半で最も多くなります。病気の進行はゆっくりですが、進行すると日常生活に介助が必要となる場合が多く、誤嚥や転倒による合併症にも注意が必要です。
症状
パーキンソン病の症状は、運動症状と非運動症状に分けられます。1.運動症状
- 手や足、あごなどのふるえ(振戦)
- 手足の筋肉がこわばる(筋強剛)
- 動作が遅くなる、動けない(無動・寡動)
- 体のバランスが悪く、倒れそうになる(姿勢保持障害)
2.非運動症状
- 便秘、頻尿、立ちくらみ(自律神経障害)
- 気分の落ち込み、不安、幻視(いるはずのない人や動物が見える等)
- においが分からない
- 不眠、日中の眠気
- 物忘れ、注意散漫(認知機能障害)
治療
薬物療法
不足したドパミンを薬で補う治療が行われます。症状に応じて複数のお薬を組み合わせて服用することがあります。主治医の指示に従って、お薬を継続的に服用することが大切です。
パーキンソン病を発症して初めの3~5年は、薬剤治療により症状が安定しやすい時期ですが、長期間お薬を服用すると、薬の効果が不安定となり、次の服用時間まで薬効が持続せず切れた時間が生じる「ウェアリングオフ」現象や、身体が勝手に動く「ジスキネジア」等の運動合併症が生じる場合があります。
2.リハビリテーション
薬物療法などに併せて、症状にあわせたリハビリを積極的に行うことが大切です。なかでも運動は、心身機能の維持・向上に効果的で、日常生活動作の改善が期待できます