病院長あいさつ

恩賜財団済生会は明治44年(1911年)、明治天皇が医療により生活困窮者を救おうと創設された組織です。現在全国に83の病院、300を超える福祉施設等を展開する日本最大の社会福祉法人です。済生会小樽病院は1924年に小樽市手宮に小樽診療所として開設、1952年に病院診療を開始しました。以来、施薬救療(分け隔てなくすべての人々に医療・福祉の手をさしのべる)の法人理念のもと、地域の人々に寄り添う医療、断らない医療に取り組んできました。2013年に小樽築港に新築移転し、2020年、敷地内に新築移転した重症心身障がい児(者)施設「みどりの里」と経営統合し現在の体制になりました。
済生会小樽病院は、急性期一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、重症心身障がい児(者)病棟を有し、総病床数378床の地域密着多機能病院です。地域のニーズに応える16の診療科を持ち、充実したリハビリテーションのスタッフと施設を生かし急性期から回復期まで一貫した医療を提供しています。
中でも整形外科は、小樽・後志の2次医療圏における運動器の外傷・救急医療、変性疾患、スポーツ障害の中心的な役割を担っています。また、消化器を専門としながら幅広い内科疾患にも対応する内科・消化器内科、認知症やパーキンソン病など神経疾患を診療する脳神経内科、がんや心不全の患者さんに寄り添う緩和ケア内科は、当院の強みです。「みどりの里」では、重い障がいのある方々の治療と生活を支えています。済生会小樽病院は医療・福祉・介護を一体的に提供し、街づくりにも寄与する、地域医療の最前線に立ち続ける病院でありたいと考えています。
昨年12月、当院は「紹介受診重点医療機関」の指定を受けました。これは、かかりつけ医等からの紹介状を持参のうえ受診していただくことを基本とする医療機関です。入院や手術につながる外来、化学療法、CT・MRIなどの高額機器による検査・治療を担うことで、かかりつけ医との役割分担が明確になり、外来の混雑緩和やスムーズな受診が期待されます。
済生会は、近接する大型商業施設ウイングベイ小樽、行政、小樽商科大学などと連携し、障がいのある方、社会的に弱い立場にある方を社会の一員として支えあう街づくり(済生会ウエルネスタウン構想)に取り組んでいます。地域ケアセンターによる生活支援、児童発達支援、就労継続支援、フードバンク、過疎地支援などの多種多彩な事業を展開しています。地域の方々が障害の有無にかかわらず、交流できる場を提供しています。2024年12月には小樽市保健所、こども家庭センターが当施設内に移転しました。福祉の街づくりという方向性がより明確になるのではと期待しています。
昨年、済生会小樽病院は創立100年という節目の年を迎えました。地域の皆様が真に求める医療を提供し、健康を守ると同時に、人口減・少子高齢化に悩む小樽の再生、活力のある街づくりに参画するのが済生会小樽病院の次の100年の使命と考えます.当院の理念は「かかって良かったと思う病院。働いて良かったと思う病院。地域と共に歩む病院。」です。理念のもと、最高の病院づくりを目指しスタッフ一同尽力して参ります。
令和7年4月

主な経歴 | 1984年(昭和59年)札幌医大卒 札幌医大整形外科入局 ペンシルバニア大学留学、札幌医大整形外科准教授、道民医療推進学講座特任教授を経て、2014年4月当院勤務。 2017年4月より済生会小樽病院病院長 |
---|